平成元年生まれの腐女子が令和に出戻った件

声優 小林裕介さんのオタクが書き散らかしています。

【BLCD】少年の境界

 

シリアス系オメガバースなので、気軽に聴くというよりも世界観に浸ってじっくりと聴くタイプの作品です。私も気合い入れて拝聴しました。原作漫画2巻分をCD1枚(2枚組ですらない)に凝縮しているので大丈夫かな?と思いましたが杞憂でした。上手くまとまった脚本になっており、脚本家さんGJです。

ただ、原作漫画が3巻で完結しているので、その3巻にあたるストーリーも音声化されていたら良かったのになあ〜〜と思います(原作3巻が2020年発売、2024年現在で音声化されていないので厳しいでしょうね。こういうのはタイミングがありますからね。でも今更でも聴きたいものは聴きたいよ〜〜)

 

 

リブレ通販特典のキャストトークCD付きで買えますよ〜。フリトCDってなかなか手に入らないからフリト好きには有り難い。BLCD本編が楽しみなのは大前提ですが、フリトは食後のデザートって感じの位置付けをしています。作品を演じた声優さんの感想が聴けるとなお本編も楽しめますしね。だから、好きな作品でフリトがないと結構しょぼんとしちゃう。BLCD制作に携わる皆様には、フリト必須をどうかお願いいたします…!!(切なる願い)

comicomi-studio.com

 

youtu.be

 

あらすじ

「俺がΩ(オメガ)のはずがない。何もかも壊れてく最悪だ」

理不尽な四角関係、
運命に翻弄される超リアルオメガバース


この出会いは、だれかの不幸であり、
だれかの奇跡だった。
本能に従うか、恋を貫くか――

自分の一生を左右する性別検査。
男女とは別に存在するα・β・Ω性は、そのまま社会的地位をも分ける。
ゆかは、性別検査で仲間内で自分だけがΩだという事実を突き付けられる。
αである友人の大我を恐れ、Ωであることをひた隠しにするゆか。
しかし保健室に駆け込んできた幼なじみ・薫の様子を見て、大人しく地味な彼が自分と同じΩだと気付き!?

話題のオメガバース作品
「少年の境界」コミックス①&②を音声化!

 

本編

 ◾️ 薫(α CV八代拓)×ゆか(Ω CV斉藤壮馬)

 ◾️ 大我(α CV興津和幸)×倫(Ω CV小林裕介)

 

メインカプの薫×ゆかと大我は同じ学校の同級生で学生時代を共に過ごしていく中で巻き起こる物語が1〜3トラック。3人が大人になり、倫をきっかけに再び再会してからの物語が4〜6トラックとなります。ですので、倫は後半からしか出てこないのですが、前半では兼ね役で学校の先生(CV小林裕介)がいます、ふふふ。興津さんも複数兼ね役で出てくるので、聴き分けができる人はふふふってなっちゃいます。

倫はΩ性であることを隠さず生きているちょっとおバカな陽キャ(居酒屋バイトって陽キャしかできなくないですか?私にはできないぜ…と思ってしまう)なんで声は高めですねー。ついでに言うと、2020年発売なので小林さん演じる倫の濡れ場に不安定さはありません。個人的体感としては、男はじ第8弾の発売された2018年以降はその辺りに不安を覚える必要はないなと思っています。初期ゆっけの喘ぎしか知らない人は是非、最近の演技を聴いてみてくださいな。印象が変わるかもしれません(隙あらば推し布教)

 

ガバガバにネタバレしていっちゃいますが、大我×ゆか、薫×倫が本来的な「運命の番」なんですよね。この物語の根幹にあるのが、運命の番の暴力性です。作者も3巻のあとがきで書いてらっしゃるのですが、運命の番設定って現実的に考えると「素敵〜♡」という甘い感情よりも恐怖心が沸いてくるなと。そんな運命の番という本能に抗って、愛で結ばれる2カプが描かれているので、シリアスな作品ですが後味が悪いものでないのが良いですね。

何より私が薫って良い男だなと思ったポイントがありまして、薫が「避妊は意志でできる」「ゆかが子供を産みたくなければ、俺達はただ二人で一生を終えることだって出来るんだ」と子どもを産む・産まない自由というリブダクティブ・ヘルス/ライツを尊重しているところが本当にゆかのことを大切に想っているんだなあと。オメガバース設定苦手な人が多いのは、どうしても妊娠可能なΩは現実世界の女性と重なるところが多いので、BLファンタジーから現実に引き戻される感覚になる瞬間が多くなるからかなとか思ったりします。なので、現実で考えても思慮深く相手を思いやる薫みたいなキャラクターは私的に推せます。

逆に大我はΩが自衛しろよというα的な傲慢さのある嫌なキャラクターでした。だからこそ、倫のことを想ってラット抑制剤を服用するようになった大我の心変わりには愛を感じましたね。ヤンキーが子猫可愛がってると好感度上がる現象だとは思いつつもです、ズルいぞ大我。

 

倫が運命の番である薫と出会ったシーンで、薫にまとわりつく倫を大我が抱き上げて引き剥がされた時の倫「あれは俺のαだったぁ…!」の叫びがね、切ない…。ここから倫が運命の番に囚われて精神的にどんどん追い詰められていく。元々、倫は少しはすっぱで軽い感じの子だったからこそ、その落差が凄くて。

発情抑制剤は副作用で気分が不安定になったり幻覚も見たりするようになってしまう。にもかかわらず、倫は薫に運命の番になってもらうまで他の人とはセックスできないと、発情抑制剤を飲み過ぎて、精神不安定で虚ろになったり激昂したりする。この辺りの病んでる感じリアルで痛々しい。精神不安定で自分で髪の毛を切って坊主にまでしてしまう倫を、帰宅した大我が見つけて「俺じゃ、だめか?」とこれまでで一番真剣な声で倫に気持ちを伝える大我。もうここが本当に興津さんってズルいわ〜〜好きだわ〜〜ポイントでした。前半あんなに嫌なヤツだったとは思えないよ。さらに「俺の番になってくれ、倫」「お前と生きたいんだ、倫」「お前じゃなきゃやだよ」と怒涛の告白台詞で、こんなん運命の番じゃなくてもうなじ差し出しますよね…ううっ……倫良かったね。

 

CDはここまでなのですが、原作漫画3巻ではまー色々あったんですが、大我と倫の間には双子ちゃんとさらに倫のお腹の中に3人目がいるラストなんですよね(Ωって不妊治療から最も遠い存在だよなあ)

ちなみに、興津さんと小林さんの共演といえば『好物はいちばんさいごに腹のなか』でもカップル演じられていて、そちらでも双子+三男+三つ子の計6人のパパママになってます。小林さんに限って言うと、また別のオメガバース作品『狂い鳴くのは僕の番β』で双子ちゃんを産んでいるので、計3回ですよ。本当に双子産みがち声優。BL作品出演数で言うとそこまで多い方ではないことから考えてもなかなか確率高いと思う。

yunae.hatenablog.com

 

キャストトーク

特典CDでメインキャストの4人参加。司会進行が小林さんなのですが、色々リストされたお題の中から「それ選ぶんや」というものをチョイスしてるのが面白い。そして、小林さんだけ癖を晒すことになってるの含めてその自爆感も面白い。

八代拓さんが好きな匂いトークでヤバワードを発言しそうになって全員から全力で止められてたんですが、八代さんがなんでなんで??と止められた意味分かってないのがかわいかった。そして結局「新書の匂い」と言いたかったのがいいオチ。

斉藤壮馬さんが「裕介」呼びしてるのにくぅ〜〜〜♡となる。最近小林さんとあまり共演しないからな〜また共演してくれぇ〜〜。

そんな斉藤壮馬さんは自身の出演に限らずBLを読むとおっしゃっていて「ほへぇ〜〜!」と良い驚きがありました。面白い作品は少年漫画少女漫画とかジャンルに限らずお読みになるタイプの方なのかな。その辺り偏見ないスタンスなのも、BL界のプリンセスたる所以なのかもしれないと思いました。

 

 

キャストインタビュー

www.b-boy.jp

 

小林) 倫を演じるにあたって、ちょっと可哀想な健気な男の子にしようと最初は思っていましたが、おバカなエッセンスも欲しいとディレクションを頂きました。きっとそうやって自分を守らないと精神的にかなり大変な心情のキャラクターなんだと思い、調整しました。倫は、4人の中で一番場を和ませるキャラでもあったんじゃないかな。誰よりも運命に強い憧れを持っていて、そこがまだちょっと青い部分でもあって。年齢よりも大人びているようで、年相応に夢を見ていている面白いキャラクターだと思います。